整理収納コンペティション 終了報告
6/26、27二日間にわたって、オンラインで開催された「整理収納コンペティション」のイベントのホストを務めてきました。
この規模のオンラインイベントは、スタッフとして参加をしたことは何度かありますが、私自身がホストを務めるのは4度目。しかもこれまでの経験と違い、パネリストの数が非常に多く、少し珍しいタイプのイベントでしたので、その様子をレポートしてみたいと思います。
「整理収納コンペティション」とは
まず最初に「整理収納コンペティション」とは、私もこの資格を持っていますが、整理収納のプロフェッショナルである「整理収納アドバイザー」が、整理収納の理論を活かして、自身が研究・実践した成果を発表するイベントです。
エントリー作品は、予備審査を受けたのち、各地区予選に進出。さらに全国大会決勝の場といえる、「整理収納コンペティション本選」に進出。20分間のプレゼンテーションで最終審査を受け、グランプリが決定する、というもの。
整理収納コンペティション」とは
プロとして活動する整理収納アドバイザー1級取得者が、整理収納の理論を活かして研究・実践した成果を発表するイベントです。
2008年よりスタートし、学びと共有の場として毎年開催しています。
多数のエントリー作品の中から、独創性、汎用性、展開性、論理性の面で審査され予選会へ進みます。
全国で開催する予選会から選出された作品が、整理収納コンペティション本選へと進みます。
整理収納アドバイザーによる20分間のプレゼンテーションは、整理収納が暮らしや社会に役立つ未来志向のスキルであることを発信、アドバイザー活動の更なる発展に寄与しています。
以上、主催のハウスキーピング協会のHPより抜粋
各地区予選、本選とも会場を借りてのリアル開催という形で、毎年コンペティション専任の運営チームが作り上げてきています。
ところが今年は、各地区予選はもちろん、本選においても新型コロナウイルス感染拡大の防止策として開催会場が借りられないなどの問題もある中、参加者の安全も考慮し、ついにリアル会場での開催を諦めざるをえなくなり、急遽本選についてはオンラインでの開催が決定になったということで、協会理事からご連絡をいただき、そのオンライン開催の統括プロデユーサーの依頼をいただきました。
オンラインの開催ミッション
イベント自体は歴史もあり、非常にチームワークの良い運営チームがあり、コンテンツもしっかり練り上げられています。運営自体をアドバイスする必要はなく、今回の私のミッションは、イベント全体のプロデュースというよりも「リアルからのオンライン開催の遂行」でした。
イベントの仕切りなどを請け負ったり、企画・運営する際、軸がブレないように、イベント自体のテーマとは別に、必ずいくつかのMyテーマを決めています。
今回はオンライン化になることでの仕切りを発注いただいたので、私のミッションに基づいて、次の3つのテーマを決めて臨みました。
❶ オンライン開催=リアル開催の簡易版には止まらないこと
そもそもの発注は、「リアル開催ができないのでオンラインにシフトする」ことの実現。
そこで、初回の打ち合わせの際に、オンライン開催になるということは、リアル開催の簡単バージョンとか、縮小版とは考えないでください、ということをしっかりお伝えし、リアルの代替物にならないということを心がけてコンテンツの見せ方を工夫する、という認識をしてもらいました。
すでに、多くのオンラインイベント開催者やプランナーの間では「オンラインでの開催をリアルの代替扱いをしていては良いイベントにはならない」というアラートが出ていて、オンライン化のあり方というのは実は大きな課題でもありました。
また、制作面では膨大な会場費がカットできると考えがちですが、実際にはシステムの問題や、オンライン開催をするにあたってのインフラ整備、そして、リアル開催とはまた違ったスキルを持つスタッフの配置が必要です。場合によっては、リアル開催よりも大幅に経費がかかるケースもあるということから、安易に簡易版では済まない、ということも主催や運営が知っておくべきポイントだったりします。
❷ エンタテイメントとしていかに成り立たせるか
コンペティションではありますが、主催の意図としては参加者誰もが楽しめるイベントであるということ。初期の打ち合わせ時には、リアルからオンラインで実現させるイメージがつかめずにコンテンツを削るという案もありましたが、イベント自体を「豊かなもの」にする意味でもコンテンツは削らず、「どう見せるか」という工夫をすることに考えをシフトしていきます。
結果、総出演者は、コンペにエントリーされている方8名、優秀講師表彰3名、オンライントークのゲスト6名を、各プログラムのパートごとに国内各所からオンラインでつなぎ、本部を設置したHK協会研修室からは、司会と理事の3名、合計20名をパネリストとして出演させるという内容になりました。
このリレー式で全国の出演者にライブで登場いただくことが、単なる発表会ではなく、エンタテイメント性の高いコンテンツになったと感じています。
❸ 主催・参加者ともに、オンライン化(オンライン感覚)の定着を目指す
今回、初のオンライン開催、しかも普段使い慣れているZoomミーティングではなく、Zoomウェビナーを採用。しかし、ウェビナー開催が決定になった時点でスタッフ8名のうち、ウェビナーの視聴経験者は数名、ウェビナーのパネリスト経験者は1名ということでした。
そこで急遽「ウェビナー体験会」なるものを実施。
ウェビナーのホスト経験者はお分かりだと思いますが、ウェビナー上にホストとして参加していても、実際に視聴者に見えるのはビデオをオンにしたときだけです。
この感覚は、普段Zoomミーティングを使い慣れている人にはなかなか思考の切り替えが難しく、早くから慣れておいてもらう必要があると感じ、テストウェビナーをスケジュールし、「ウェビナーの中の人と外の人を体験する機会」を作りました。
この体験をもとに、スタッフ間でプログラムの中身をどう見せていくのか、また、ウェビナーの特性をどう活かしていくのかを具体的にイメージして頂きました。
コンペティションの発表は、あらかじめ撮っておいた「動画」での発表と決まっていましたので、直後に司会が本人を呼び込み、オンラインで登場いただく、というライブ感のある演出が実現しました。
インフラ整備問題
今回は、運良く主催者であるハウスキーピング協会の2F研修室を、ウェビナーの本部(発信スタジオ)として、リハーサル日、本番二日間、全ての日程で確保することができました。
用意したPC配置は14台(うち9台共同ホスト、5台視聴チェック用)、スマホ・タブレットが約10台、司会と理事撮影用のオンラインカメラが2台。
また、同フロア内に、司会と理事の発信スタジオもかねていたため、ハウリング防止に全てのスタッフはイヤホン、またはヘッドホン必須としました。
私自身は、リハーサル時の気づきから、本番は、イヤホンをノイズキャンセリングのヘッドホンに変えて挑みました。というのも、VTR再生中はどうしてもスタッフ間の申し送りや確認事項に会話が飛び交い、また、臨場感を持たせるために、出場者の紹介や退室の際に拍手で送り出したため、イヤホンでの音声チェックが非常に難しかったためです。
このノイズキャンセリングのヘッドホン効果は実際にあり…….というのも、出場者を拍手で送り出す際の演出としてスタッフのリアルの拍手音を拾っていましたが、スタッフはつい大きな拍手を送ってしまいがちです。これがZoomの音声にリミッターがかかってしまい、無音になるという現象が起きました。これは、ヘッドホンで聞くか、別室でモニタリングをしないと気づけない部分でした。
今回、ウェビナー操作をするPCは有線を確保しました。
ルーターからの2つに分岐させ、各5台と4台が接続。常にネットスピードを把握して起きたかったので、特に重要なポジションのPCにはチェッカーをインストールして、数値を報告してもらいながら進めました。
今回採用したのは、fast.com です。
シンプルで見やすいので、おすすめです。
https://fast.com/
実際にトラブル発生!リハーサル、初日とも問題なく快適なネット環境でしたが、2日目の本番15分前に急激にネットスピードが落ち始め、一人、二人、とZoomから脱落。ホストである私のPCは接続されていたものの、異常なスピード低下にサブマシン(自分のスマホとテザリング)でプロバイダーであるOCNのシステム障害、接続障害をすぐさまチェックするも該当なし。何らかの急激な負荷がかかっていると考えて、ルーターを再起動させて頂きました。
更に念のため、2回線のうち、1回線を別のハブに繋ぎ直し、3分ほどでネットスピードは回復。このネットスピードを常にチェックしながら進めていてよかったです・笑
スタッフのシフト
今回、スムーズな進行とエンタテイメント性を実現するために、スタッフの役割を非常に細かく設定しました。
特にウェビナーが初めてのかたがほとんどのため、本番中に急にビデオONで入ってくることのないようオンライン上でアテンドするなど、出演者への配慮も行き届いてたかと思います。
■ウェビナーホスト 音声チェック(福永)
ウェビナーの管理を担当。登壇される方をパネリストとして招待する設定管理、当日の開始操作、機材チェックなど
■イベント進行管理(石渡)
イベントリーダー、当日はユーティティーとしてスタンバイ&全体の進行をコントロール
■イベント進行管理 兼 発表者ビデオ出し(鈴木)
イベントリーダー(サポート)、発表者のビデオだしサポート
■ビデオ・マイク切り替え1(関澤)
MCの顔出し・マイクONの操作担当
■ビデオ・マイク切り替え2(竹内)
協会理事用顔出し・マイクONの操作担当
■発表者ビデオ出し(山下)
発表者のビデオ出し、ドラムロール他音声操作
■ゲスト窓口/チャットインフォメーション(熊本)
パネリストのスタンバイ誘導、チャットを利用した視聴者向け案内
■パネリスト権限管理(三浦)
出演者を、パネリストと視聴者の権限切り替え
■バックパネル操作(網野)
各コーナーのタイトルバック表示操作など
■MC(あさがみちこさん)
スタッフという紹介はふさわしくないですが、このかたがいてくださるからこそ、固すぎず楽しいイベントになりました。間違いない!
以上、非常に有意義なイベントでした。
これからは、リアルの開催ではリアルでしかできないこと、オンラインでは、オンラインでしかできないことを。
ハイブリッドの時代を楽しみたいですね!